HBM-FPGAを利用した宇宙輻射輸送シミュレーションARGOT(Accelerated Radiative transfer on Grids using Oct-Tree/筑波大学計算科学研究センター)の演算加速について議論する.本シミュレーションは,HBM などの大規模・高帯域なメモリを利用しても、メモリ帯域幅がボトルネックとなり十分な加速が難しいことが知られる.そこで本研究では,メモリアクセス効率を高めるため,演算バッファに細粒度なデータフロー制御を組み込むことでメモリアクセス数の削減を図り,飛躍的な演算速度の向上を目指している.本報告では,等方性拡散する各光線が直線的に進行する性質に着目し演算空間を三角錐型に分割するとともにその更新順序を最適化することで,高効率なストリーム演算が実現可能であることを示す.